先帝陛下の「思い」

平成が終わり、新たな時代が始まった。

新しいものになじむのに時間がかかる私としては、
新しい時代に手放しで浮かれる気分にはまだなれない。
「令和」という言葉など知らなかった平成の日々が
とても懐かしく、そして遠く感じられる。
一か月少し前のことでしかないのに。

そんな私であるので、先帝陛下の退位を伝える中継を
胸締めつけられるような思いで見ていた。

「最後のお言葉」を述べられ、退出していく際、
陛下は振り返り、一礼された。

松の間に集まっていたのは「国民の代表」たる人々であったのだから
陛下が一礼されたのはすべての国民に向けてと言っていいだろう。

そのお姿から伝わってきたのは、ただひたすらな

感謝

だった。少なくとも、私はそう受け取った。

天皇という地位に関係なく、
一人の人が生涯をかけて貫いてきた「思い」。

それが伝わった瞬間だった。

 

たぶんあれが、我々が目にする、先帝陛下の公式の場での最後のお姿になるはずだ。
その覚悟なくして、譲位などという近世に例のないことをやってのけられたはずはない。

 

だから私も、先帝陛下に対し、畏れ多くも

ありがとうございました

と申し上げたい。
そして、一日でも長く、平穏な日々をお過ごしになられるよう、お祈り申し上げてやまない。

 

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