両槻会第65回定例会報告 その1

先週土曜日(2018年5月26日)、両槻会第65回定例会が開催されました。

薄い雲がかかっていて五月晴れとはいかなかったものの、寒くなく暑くなく、飛鳥は絶好の散策日和でした。
ご参加いただいた皆さまには、事務局の一員として厚く御礼申し上げます。


今回の定例会は、帝塚山大学考古学ゼミと両槻会の共催イベントとして、

飛鳥時空旅~蘇我氏の邸宅編~

と題して行われました。

恒例となったこの共催定例会は、帝塚山大学清水先生のゼミの学生さんたちが交替で飛鳥の各ポイントで説明をしてくれるので、初心者の方にもわかりやすく、さらに、学生さんたちと一緒にさまざまなことを学べるうえに、ドキドキ感も共有できるという、大変お得なイベントです。

今回のテーマは「蘇我氏の邸宅」。

古代に輝きを放った「蘇我稲目・馬子・蝦夷・入鹿」ら、いわゆる「蘇我4代」の邸宅跡を回ってみようという企画です。


蘇我氏はもともと、現在の橿原市曽我町周辺を本拠としていたと考えられていますが、権力の伸長とともに東へと勢力範囲を広げていきました。

宣化天皇のもとで大臣となった「蘇我稲目」の邸宅は、

小墾田家
向原家
軽曲殿

などが記録に残されています。

稲目の子で、推古天皇・聖徳太子とともにこの国を牽引した「蘇我馬子」の邸宅は、

石川宅
槻曲家
嶋家

などが記録されており、乙巳の変で滅ぼされた「蘇我蝦夷・入鹿」の邸宅としては、

豊浦家
畝傍家
甘樫丘

があったとされています。


これらのうちのいくつかは、その後、寺や仏殿になったと推測され、蘇我氏と仏教の深い関係をうかがわせます。


これらの邸宅を年代順に回ることができればいいのですが、いかに飛鳥周辺に固まっているとはいえ、やはりバラバラに位置していてそういうわけにもいきません。ウォーキング後の清水先生の講演会が橿原公苑で予定されていたこともあり、どちらかといえば蘇我氏の進出方向とは逆の、東から西へ向かうルートになりました。そのあたり、ちょっと混乱された参加者の方もいらしたかもしれませんね。参加者の方にお渡しした資料(56ページもある特製資料。無断転載不可)をご覧いただければと思います。


というわけで、出発地は

石舞台。

とはいえ、石舞台そのものには寄らない。
そのあたり、マニアックな両槻会の面目躍如でゴザイマス。
石舞台は「邸宅」じゃなくて「墓」ですしね(笑)

なので集合は「石舞台バス停」。

参加者の皆さんは、橿原神宮前や飛鳥から、バスに乗って到着です。

実は梅前、この時点で疲労困憊していたんだけど、そのいきさつはまた次回以降に。


で、最初の説明ポイントはこの「石舞台バス停」。

このあたりには蘇我馬子の「嶋家」があったとされています。
庭に池を造り、その池に島まであったので「嶋家」と呼ばれたとか。

出発式のあと、すぐに説明が始まります。

ここの担当は3回生のKくん。

あのあたりに方形の池があって、あちらにはこんな感じの建物が、と指し示しながらの見事な説明ぶり。方形の池の護岸など、今までまったく気がつかずにいただけに、ほほう、と目からウロコ。

参加者の皆さんにお渡しした資料(特製56ページ・無断転載不可←しつこい)は、学生さんたちが主体となって作成したもので、私もそのチェックのお手伝いをさせていただいたのだけれど、実は一番てこずったのがこのKくん作成の資料でした。
漢字の変換ミスあり、てにをはの間違いあり、文意が通じないものありで、そこは心を鬼にしてバッサバッサと指摘し、修正してもらったのだけれど、私は内心とても嬉しかった。
なぜなら、間違いがあるってことは「コピペ」じゃないってことだから。
どこかから持ってきた言葉ではなく、自分の言葉で書こうとするその意欲。それにお応えするためには、こちらも真剣に向き合わねばと思ったわけです。

で、資料がそんなだったんで、当日も「大丈夫かいな」と心配だったわけですよ、おばちゃんは。

でもね。

そんなの杞憂でした。

お見事。

このKくんは、去年も説明役をかって出てくれたんだけど、去年はリハーサルがとてもうまくいって、本番は本人が期待したほどの出来じゃなかったらしい。
そこできっと、「本番の怖さ」を知ったんでしょうね。

そうした経験を糧にして、見事やりとげたKくん。
なんか、

若いっていいなぁ。

どんどん修正できるし、どんどん成長していくし。

羨ましい。

いや、負けちゃいられないけどね!(笑)


池の深さを説明するとき、「僕の胸のあたりくらい」と言っていたKくん。
とってもわかりやすかった。
そういう工夫が大事だよね。

で、メジャーで測って「うん、だいたい胸くらいだな」と思ったのか、あるいはそれくらいの高さの棚でもあってその横に立ってみたのかわからないけれど、その光景を想像すると、かわゆくって、けなげで、なんだか鼻の奥がツンと熱くなる。

いやぁ、もう一度言うけど、

若いっていいなぁ。

と、しょっぱなから目頭を熱くした梅前。

まだスタートしたばっかりだけど、長くなっちゃったんで続きは次回。
Kくん以外の学生さんたちも、待て次号!

 

(2018年5月31日)

 

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